日本でもっとも忙しい"レコード番長"として広く知られ、DJ活動に加えてSunaga t experienceとしてアーティストのプロデュース・ワークやコンピの監修なども手掛ける。ライフワークとも言える「須永辰緒の夜ジャズ」シリーズをはじめ、ミックスCDシリーズ「World Standard」など多くの作品がリリースされている。
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須永さんがXA6803の存在を知ったのはいつのことですか?
TDKのイベントだったかな。DJがMUROでMCはYOU THE ROCK★だったんだけど、数台が当日のイベントのスピーカーになっていて、えらいスマートなスピーカーに泥臭い2人が似合っていないのが面白くて、それですごい印象に残っています。いまは音楽配信が主流となり、デジタル・オーディオ・プレーヤーの普及でお手軽なDJギアも増えていっていいますが、そのほとんどがかわいい"グッズ"の印象が強くてまったく興味が沸かないんですよね。僕は街を歩くとき音楽を聴かないし、携帯もスマートフォンじゃない。自分はアナログでいい、アナログで十分たり得ると思っている人間なんですが、この時代にまったく媚びず、"新しいのに懐かしい"――そんなボディに惹かれました。

須永さんとブーンボックスの出会いを教えてください。
もともと僕はヒップホップのDJだったので、"ラジカセを持つ"ということ自体が1つの文化としてあったんです。いわゆるブーンボックスと呼ばれるラジカセを強く意識したのは、マルコム・マクラーレン『Duck Rock』のジャケット。(そのジャケットに写ったブーンボックスのように)当時はラジカセにいろんなデコレーションを模して、自分流のアレンジを施す。原宿ではブーンボックスから音を鳴らしてブレイカーが踊っていたり、MUROくんがKRUSH POSSEの後ろでブーンボックスを担いでいたり……でも、ストリートよりクラブ側の人間になってしまったことや、アナログ方面のハイファイへ移行したこともあって、自分はそこまでに至らなかったんですけどね。クラブのプロデュース(渋谷Organ Bar)を始めてから『ラジカセ魔』というイベントが始まったんですけど、それこそブーンボックスをカスタマイズすることに命を賭けている連中が集うイベントで、Organ Bar初期の人気イベントでしたよ(笑)。ブーンボックスはヒップホップのある種特定できる時期を指し示すアイコンでもある。ラップに始まり、DJにグラフィティ、ダンス……すべて組み合わせての総合芸術、ブーンボックスはそこに含まれると思いますね。
XA6803は主にどのように使用していますか?
僕がデジタル推進派でないことはよく知られていると思いますが、制作のときはさすがにデジタル主導で、これまではPCに取り込んだデータはヘッドホンで聴くことが主だったんですが、外に出力して聴ける喜びを知りました(笑)。自分自身、納得のできるブーンボックスなんですよね。言い訳ができる、と言ったら失礼ですけど、とにかくルックスは理想的ですから。大きさといい、ゴツさといい、何かの皮を被った無骨さというか……現時点での最高峰スピーカーと言っていいんじゃないですかね。



